インドネシアボンバナ県では、土壌や飼料植物の水銀汚染が生態系に悪影響を及ぼしており、ASGMがその主な原因となっています。ボンバナ県の3つのサバンナ地区(ASGM地区、商業採掘地区、対照地区)で採取した試料を用いて、土壌と飼料植物の水銀汚染を粒子線誘起X線発光分析法で調査しました。ASGM地域の飼料植物の水銀含有量(平均9.90 14 g/g)は、対照地域の水銀含有量(2.70 14 g/g)を上回っており、土壌中の水銀m有量(平均390 860 g/g)も対照地域(平均7.40 9.90 g/g)より高く、国際的な規制値を超えていることがわかりました。また、土壌の69%、飼料用植物の78%のサンプルの水銀含有量が、毒性学的に限界値を超えていました。今回の調査で観測された水銀濃度は、広範囲に及ぶ汚染が大きな環境問題を引き起こす可能性を示唆しています。
この報告は、「Mercury Contamination of Cattle in Artisanal and Small-Scale Gold Mining in Bombana, Southeast Sulawesi, Indonesia」としてgeosciencesに掲載されました。
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