環境破壊や有害金属汚染の主な原因は地質に由来する汚染もありますが、鉱業などの人為的な活動も挙げられます。特に家畜は水銀を体内に生物濃縮する傾向があると言われています。
SRIREPプロジェクトでは環境影響評価の一環として、インドネシア・東南スラウェシ州ボンバナのASGM地域の内外で飼育されている牛の水銀汚染を調査しました。牛の毛髪サンプルを粒子誘起X線発光分光分析法で分析するとともに、牛の環境条件、性別、年齢など、毒性に影響を与えていると思われる様々な要因についても調査しました。
調査結果から、ASGM地域内で飼育されている牛毛髪中の水銀濃度が、地域外で飼育されている牛の数値よりも高いという結果が得られ、陸域の食物連鎖に残留する水銀汚染があると推測します。
この報告は、「Mercury Contamination of Cattle in Artisanal and Small-Scale Gold Mining in Bombana, Southeast Sulawesi, Indonesia」としてgeosciencesに掲載されました。
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